* 月の終わり *

-the end of the moon- part.5












「英二!大丈夫?」
「うん。もうスッキリ〜」

教室に帰って、一番に迎えてくれたのは不二だった。
さっきまで泣いてたから少し目が赤い気もしたけど。
とりあえず笑って言った。
今度は、自然な笑顔だったと思う。
うん。ダイジョブ、ダイジョブ!

「そう。ならいいけど…無理はしないでね」
「ほいほ〜い」

そのまま、3・4時間目の授業は普通に受けた。
不思議と心は穏やかだった。
時には思いっきり泣くことも大切なのかね。
我慢することなかったんじゃん。
少し…吹っ切れた、のかな?

「英二」
「んにゃ?」
「昼休みだよ。お弁当食べないの?」
「あ、食べる食べる」

まだ、少しボーっとしちゃうところは抜けてないや。
あ、それは元からだっけか?

カバンの中から、弁当箱を取り出す。
久しぶりにちゃんと食べれそうな気がした。

「よいしょっと」

不二の前の席の椅子を借りて後ろ向きにする。
いつも通りのこと。

今日のお弁当は、オレの好物のオムレツとエビフライが入ってた。

「いっただっきまぁ〜す」

早速エビフライにパクつく。
ゆっくりと噛み締めて、ゴクンと飲み込んだ。

「…おいし♪」

久しぶりだな、ご飯が美味しく感じられたのは。

「良かった。英二元気出たみたいだね」

不二がこっちを見てにっこりと笑った。
オレもにっこりと笑い返して言った。

「うんにゃ。心配かけてごめんにゃ!」

今日は、お弁当を全部食べれた。
いつもは食欲出ないし食べても吐いちゃうし。
ほんと大変だったもんな〜。

「ごちそうさまでしたっ」

満腹、満腹。世は満足じゃ、って感じ。
大丈夫。もうこのまま元気でいられるよ。
きっと、恐らく、多分、出来れば……。



そのまま、午後の授業は平和に過ごせた。
大石のことは忘れたわけじゃない。
考えて辛くないわけじゃない。
でも、明らかに今までよりは心が軽かった。
良かった…のかな?
大石は、どう思ってるんだろ?
怒ってないよね?
忘れたわけじゃないんだもん。
きっと喜んでくれてるよ。オレ元気になったから。
思い出しても平気になったんだ。
これでいいんだ。
このまま過ごせれば、ね。


オレは6時間目が終わって礼をするとき、ふと窓の外を見てみた。
綺麗な形をした三日月が、雲に見え隠れしていた―――。

























菊さん復帰の巻。(なんじゃそりゃ)
うん。一時的に復帰。(意味深発言)

いつでも心の中は大石なのよ。菊ちゃんは。
大石が愛しくて堪らないのよ!(妙に感情こもってます)
わかるぜ〜その気持ち!!(力/涙)

人生楽ありゃ苦もあるさ。
人生山ありゃ谷もある?(なんじゃそりゃ)


2002/08/17