* 月の終わり *

-the end of the moon- part.7












部活が終わった後、手塚に残るよう言われた。
何だろう…。
大石に関係すること、かな。

みんなが帰った後、オレは部室でボーっと待っていた。
暫らくすると、手塚と不二が入ってきた。


「ここで話をするのもなんだ。場所を移そう」

そういって、校舎内の会議室で話をすることにした。




―――会議室。



「話というのはだな」

いつも通りの硬い口調で手塚が喋りだした。

「お前の新しいダブルスのパートナーのことなんだが…」
「――」

新しい…ダブルスのパートナー……。

「今のところ、大体の見当はついている。スピードとパワーがある桃城か、
 比較的大石とプレイスタイルが似ている、不二だ」

手塚が不二の方を見た。
不二はこっちを見てにこっと微笑んだ。

「しかし、問題も有る」

手塚は話を続けた。

「桃城も不二も、シングルスとしても大事な戦力だ。
 だから、どちらかで固定ではなく、対戦相手によって変わることも有り得る。
「……わかった」
「それじゃ、ダブルスのパートナーのことは以上だ。あと…」

そっか…。
オレのダブルスのパートナーって呼べる人は、はっきりとはいないんだ…。

ところで、まだ何か話があるの?なんだろ。
ま、いっか。
なんかどうでもいいし…。

「…悪いが不二、二人で話をしたい。席を外してもらえるか?」
「二人で?…まあ、いいけど…」
「悪いな。あと、部室の鍵も頼んだ。閉めてなかったはずだ。
 菊丸、荷物は全部持ってきてるな?」

訊かれたので、コクンと頷いた。

「うん。わかった」

不二が鍵を持って立ち上がる。
そして、ゆっくりと部屋から出て行った。
パタンとドアが閉まると、一瞬部屋はシンとした。


「…で、話って?」

その沈黙に耐え切れず、オレから話を吹っ掛けた。

「ああ。お前…大石の葬儀に来なかっただろう」
「あ…」

そういえばそうだった。
他のことに頭が一杯ですっかり忘れてた。

手塚はオレの困った顔に気付いたのか、軽く溜め息をつくと言った。

「桃城から簡単な話は聞いている。細かいことまでとやかく訊く気はない。
 ただ…」
「?」

今までは向かい合って話していたのだけれど、
手塚は立ち上がるとオレの横に回りこんだ。

「お前のそんな顔を見ているのは辛かったからな」
「手塚…」

確かに、今自分は悲しそうな顔をしているに違いない、ということはわかった。
必死にいつもの明るい顔をしようと思ったけど、
気付くと口は一文字に結ばれ、眉は下がってしまう。

「手塚…オレもさ、みんなに迷惑掛けないように……頑張って、
 えが、笑顔になろうと…してる、のに…」

最後の方はしゃくり上げてしまって文章が途切れ途切れになってしまった。

「大石のことっ…忘れたくないよ!…でも……
 こんなに…苦しいんだったら、もう……」

オレは、もう自分の精神が限界に近づいているのがわかった。


「もう…大石のことなんて忘れちゃいたいよっ…!」


思いっきり叫んだ。
忘れたくない、これも本当。
忘れちゃいたい、これも事実。
絶対に忘れたくない、でも思い出すと湧き上がる苦しみ。

もう、ダメだった…。

「手塚ぁ…」

とりあえず、隣に誰かにいて欲しくて、手塚の名前を呼んだ。
零れる涙を手の甲で拭った。
でも、次から次へと出て来て止まらない。

「もうヤダぁ…」

オレがそう呟くと、手塚はなんとオレの手の甲にキスを落とした。

「てづ…」
「菊丸、お前はもうこれ以上苦しむ必要はない」
「……」

手塚は優しかった。
自然と心が温まった。
その優しさに甘えたくなった。

もう、完全な限界だった。
オレは、自分から手塚を求めた。


「ねえ、手塚…ヤろ……」

手塚の首に腕を回した。
そしたら、無表情な手塚の顔が驚愕の表情に変わった。

「お前…自分の言ってることがわかっているのか?」
「わかってるよ…ね、お願い…」

手塚は随分驚いていたけど、
数秒後には表情を変えた。

「本当に、いいのか?」
「ん…」

オレは静かに瞼を伏せて何かを求めた。
手塚もそれは理解しているみたいだった。

唇と唇が合わさる。
そして、ゆっくりと離される。
すると手塚は、オレの両側の目尻に溜まっている涙を指で掬った。

そして、制服のボタンが一つずつ外されていった…。

























ぷひゃー!(深呼吸)
げふっ…ごふん!
菊さん超誘い…。(*ノノ
照れるZ!(何)
あはは、照れてる場合じゃないか。(汗)

塚さん攻ってます。(何)
そして、これから3ピ…いやいやなんでもない。(爆死)
ああ…あははv(空笑)


2002/08/18