* 月の終わり *

-the end of the moon- part.8












学ランが脱がされ、手塚の手はワイシャツのボタンに掛けられる。
ワイシャツは脱がされさえはしなかったものの、前は全開の状態。
手塚はオレの身体に指を這わせ始めた。


「ぁ……てづか…」

次第に口が肌に当てられるようになる。
舌が、全身を這い回る感触。

「…ゃ……」

口から零れていく甘い声を、抑えることが出来ない。
悲しいわけじゃないのに、涙がポロポロ流れる。

身体中に赤い痕が増えていく。
背筋がゾクッとした。

「ぁん…てづ…か……」
「……」

オレの声に対しても、手塚は無言で事を進めていた。







その時。


「ねえ手塚、この部屋の鍵…は……」

勢いよく開け放たれたドアの向こうには、不二がボーゼンと立ち尽くしていた。
初めは気付いてなかったみたいだけど、
数秒後には事態を飲み込んだみたいで、言葉を失っていた。


「不二!?」

オレは自分の身体が更に熱くなるのを感じた。
頭のてっぺんから、つま先まで。

まさか人に見られるなんて思ってなかったから。
頭の中は恥ずかしさで一杯だった。

「何…してるの?」

不二は驚きのあまり開眼していた。
オレはどうしたらいいのかわからなくて、手塚の顔を見た。
手塚は相変わらずの無表情だったけど、
内心すごく焦ってそうだった。

「驚いたな…二人が僕のいないところでこんなことしてたなんて……」

何も答えないオレたちを見て、不二が言った。

「不二ぃ…」

オレは泣きたかった。
というか、少し泣いてたけど。


大石と恋人同士だったら、不二とは親友。
裏も表もない、さっぱりとした間柄だった。

見られたくなかった、こんなところ。
オレは、自分のしていたことにとても後悔したんだ。


でも、不二の口から出たのは意外な言葉で。

「秘密にするなんてずるいじゃん。僕も仲間に入れてよ」
「不二!?」

いいながら、不二は自分の荷物を降ろして、学ランを脱いだ。

「ちょっと待て、不二…」
「いいじゃん、誰にも言わないからさ」

さすがの手塚も戸惑ったみたいだけど、
不二の顔を見ると言い返せないでいたみたい。

「最近英二元気ないみたいだしさ、楽しませてあげようよ。ね?」

不二が笑って言った。
少し、せがむ様にして。

「…それもそうだな」

手塚は言った。
不二は、これからは僕に内緒でこんな事しないでよ、とか何とか言ってる。
すると、手塚と不二は一つ、深いキスをした。オレの目の前で。

今までにない事態に、オレは混乱しきっていた。


そんな中、3人での行為は始まった。




電気も点けていない会議室。

窓の外から差し込む光は、オレンジ色。

それも、だんだんと薄くなってきて。

ほとんど闇の中のような状態で、オレたち3人は入り乱れていた。




「―――あっ…!」


なんで、こんなことになったんだっけ。


「や、やめ……」


覚えてない。けど…。


「……ぁん!」


既に、完全に快楽の中に溺れていた。


「ふぁ……ハァ…」


でも…なんでだろう。


「ぃ…ゃ…」


オレは人とヤってる最中で。


「やあぁっ!あん!!」


いい思いさせてもらってるはずなのに。


「ひゃ……はぁ…」


何か、心の奥にもやもやとしたものを感じる。


「ダ…メ……」



どうして?

このキモチは、何?


恐怖?

愛しさ?

罪悪感?


いや、全てが混じって……。


どうして?


ドウシテ?


タスケテ。


ホントハゲンインナンテワカッテルヨ。

ダカラ、ワスレヨウトシタ。

デモ、ムリダッタンダヨ。



オレガモトメルノハタダヒトリ。





「はぁっ、やっ!い、イク!……ぉ…おおいしっ!!!」









――――。



オレは、そのまま意識を失った。

気付くと、家の布団で寝ていた。
手塚が送ってくれたらしいけど、熱があるということになっていた。

………。

オレ…何やってたんだっけ。
会議室で…手塚と不二と……。

……。

オレの記憶が正しければ、無意識に叫んだ言葉。
忘れようとしたあの人の名前を…。


…ダメなんだ。

忘れようとしたって、無理なんだ。


ふと窓の外が見たくなったけど、
カーテンが閉まっていて見れなかった――。

























んぎゃっ!(呻)
やっちまった…。ブルブル。(突然罪意識)
元はもっと長かったんですが。
削りました。相当。
話の筋を立たせるために…。
行為中の場面を大幅削減。ぐふっ。(死)
セリフ&心境だけ。
怖いよ。何やってるんだよこいつら!?(お前だ)
ああ…読み返すと自分は一体
授業中何書いてたんだろうと思いますよ。(涙)

不二…白の設定だったはず!受のはず!NO!(爆)
なんだか…攻ってます。(オイ)
う〜んと…塚<不二<菊丸ということで。受順。(死)
そうそう、白だけど英二さんにだけはいじわるなの。不二さんは。
菊ちゃんおもちゃ扱い。(爆)


2002/08/18