* 月の終わり *

-the night with no moon- part.4











妙に、スッキリした日だった。
頭の中も、体も。
果てには、気候さえも爽やかに感じられた。


 モシカスルト
 ココロノオクデハナニカヲサトッテイタノカモシレナイ。



英二。

英二。

英二。

いくら考えても止まらない。
この一ヶ月ほど、英二のことを考えない日はあっただろうか?

いや、無い。

一緒に過ごしているのが当たり前で、
離れる辛さというのを知らなかった。
ここで身をもって体験して、
本当に強く感じた。

お互いが必要だということも。

命の儚さも……。




『大石…』

「――」


今、確かに聞こえた。
英二の声が。

空耳じゃない、気の所為じゃない。
すぐ近くに、英二が居るのを感じる。


「英二…!?」


呼んだとき、俺の体がふわっと浮いた。
一回瞬きすると、そこは違う場所に変わっていた。

辺りは真っ白な、病室。
そこには、目に涙を浮かべた英二が居て。
でも、笑顔だった。

俺は、それにつられるかのように笑顔になった。


その時、気付いた。

英二は、いつもそこに居たんだな?
お互い腕を伸ばし合っていたのに、
あとちょっとの指先を触れさせることが出来なかったんだな?


今日は、きっと届く。


思い切り腕を伸ばした。
応えるかのように、英二も腕を伸ばしてきた。

「今度こそ…捕まえた!」

英二にそう言われた瞬間、
俺の手に重みが加わった。
そのまま、手を繋いで二人空を飛んでいた。

お互い笑顔だった。
体が軽かった。
心も軽かった。
二人一緒なら、どこまでもいける気がした。


一瞬光に包まれたかと思うと、
俺はいつもの世界に立っていた。

























意外と終わらねぇ。(滝汗)
大石さん頑張ってます。
なんだかんだいって貴方も淋しかったのね、うん。(誰)


2003/04/14