* THE BLIND GOD -part.4- *
どうしよう…。
思いっきりテンパって呼び出しちゃったけど、
ちゃんと来てくれるかな…?
今日オレが調子悪いの、大石には気付かれてたかな…。
理由なんて、言えもしないけど。
相談には乗るって言われたけど、
やっぱりこういうことって言い難いし…。
「英二」
「!」
「約束どおり、来たけど?」
「あ、!やっほ!にゃはは…」
「ん?…変な英二」
突然掛けられた声に、オレは驚くしかなくて。
絶対今の態度、不審に思われたよにゃぁ…。
まあ、今更不審に思われるも何も無いんだけど。
「それで、なんの用事?」
「あ、んっと…」
行き成り本題に切り込まれた。
まだ心の準備が出来てないけど…。
でも、ここまで来て引いたら男じゃねぇ!
男菊丸、ビシッと言います!
「あのね、」
「うん」
力が篭った手は、少し震えていた。
こんなに緊張するの、久しぶりかもしれない。
「オレはのことが好きだって、伝えたかったんだ」
言った後、余計心臓がバクバクしてきた。
だって、から返事が来ないんだもの。
向こうは、オレのことどう思ってるの…?
ドクン。
ドクンドクン。
ドクンドクンドクン。
「…ごめん」
――――…。
その言葉を聞いた瞬間、
心臓の鼓動が止まったような気さえした。
何も聞こえなくなった。
いや、聞こえてるのかもしれないけど。
頭まで何も入ってこない。
カラスが鳴く声も。
校庭で練習を続けている野球部の掛け声も。
が喋り始めるまで、
オレは何も聞こえちゃいなかった。
逆に言えば、の言葉だけは全部聞いた。
「私さ、英二のこと凄く好きだけど…やっぱり、
友達として…だなって」
「そっか…そうだよね!ごめん、突然こんなこと言って」
「ううん、全然…」
は否定して手を横に振ったけど、
表情が随分沈んでた。
…告白するって、大変なんだにゃぁ。
上手くいったら二人ともハッピーだけど、
上手くいかなかったときは、
フッたほうもフラれた方も悲しい気持ちになるんだもん。
でもここでオレが思いっきり沈んだら、も困るよね。
そう思って、オレは精一杯の笑顔と明るい声で言った。
「きっと、には別のとこに好きな人がいるんでしょ?」
「えっ?」
…今の反応は、当たりってトコかにゃぁ…。
ちぇっ。
誰なんだろ、の好きな人って。
「じゃあさ、こうしようよ!の好きな人教えてくれたら、
オレはすっぱり諦める。オレたちは元通りの友達同士。どう?」
「え、えー…そんな」
「いいじゃん、絶対誰にも言わないからさ!」
…別に、そいつのこと調べ上げて
わら人形作ってやろうなんて、心にも無いからな!
「うーん…それじゃ、特別だよ?」
は少し恥ずかしそうな顔をして言った。
無意識かもしれないけど、指を何度も組みなおしながら、
小さな声で、言ってきた。
『―――』
そのの言葉を聞いて、
オレは一瞬放心状態に入りかけた。
「実はね」
だって、
「私…」
の好きな人は…
「大石君のことが、好きなんだ…」
選りによって、
オレの大親友だったんだから――…。
Next criminal
→Heroine
2003/04/27