* skew position -part.25- *












日曜日、オレは越前の家に居た。
テニスを暫くやって、その後は越前の部屋でゲームをやっていた。
そのときのことだった。
オレの携帯に、メールが入った。


「……あ、なんか来た」
「誰からっスか?」

開けてみて…それは、びっくりだよな。
それは、英二先輩からのメールで。


 『大石と仲直りしたよ〜o(^-^)o
  今まで色々と有り難う!じゃねん♪』


随分と浮かれた様子の文面。

でも、なんつうかこれ…あれか?


「オレはもう用無しってか…」
「何がっスか?」

越前が画面を覗き込んできた。
隠す間もなく、読み終わってしまったようだ。

こっちを見ると、ニヤリと笑った。


「桃先輩、菊丸先輩にフラれたんだ?」
「だから、元々そんなんじゃねぇっつってるだろ」
「"Whatever..."」
「あん?なんだって?」
「どうでもいいって言ったんス」

越前は飄々とした顔で頭の後ろで手を組んだ。
オレは何となく天井を見上げた。

「そっか…上手くいったか」
「何、傷心っスか?」
「バカ言え、安心してんだよ!」


良かった良かった。
そう、思うのだけれど。
……本当のこというとやっぱり少し淋しかったりする。

「そういうお前は、手塚部長はどうしたんだ?」
「それがどうも完全に不二先輩にベタ惚れっぽいっス」
「はは、お前人のこといってらんねぇじゃん」

いや、オレもそうだ。
エージ先輩のことじゃなくて、
……オレの、本当に好きな――。

「そうっス。オレめちゃ傷付いてるんス。慰めてくれますか?」
「お前そういうタマかよ」
「いいじゃないっスか。“傷心者”同士」
「バーカ」


――何だかんだ言いながら、オレはそのまま越前のことを抱いていた。
意識はあったけど、思考は働いていないような状態のまま。

「桃先輩、愛してる人とだけじゃないんですか?」
「ん?オレお前のことアイシテルぜ?」
「ウソツキ」

腕の中でクスクス笑う越前を見て、
アイツだったらどんな表情するんだろうと思いながら、
そのまま、行為は続いた。


空いた隙間を埋めるため。

本当に満たされることはないと分かりながらも。


それでも、縋り付く何かがないと生きていけないんだ――。

























next character→海堂薫


2003/01/19